2003年5月29日から6月13日までの教育実習の記録です。他の先生や他の実習生、それからもちろん
生徒たちが直接関わっていることは、あまり詳しく書くことはできません。
しかし、自分が感じたことや考えたことは、なるべく形にして残したいと思います。
[教育実習記録簿より 必要に応じて変更・削除・追加の上、一部抜粋]
(注)12日分と言ってもかなり長いようなので、道中お気を付けて。
- 2003年6月13日(金)[教育実習12日目/12日]
12日間の実習も今日が最終日となった。12回目の朝のHR、最初の頃に比べれば、必要以上の緊張は
なく、声もだいぶ大きく出せるようになったと思う。みんなの顔を見ることもできるようになって、
連絡事項を伝えることと出席を確認することで精一杯だった以前とは違い、やっと落ち着けるように
なった。別のクラスに行ったらまた最初から慣れ直さなければならないと思うけれど、みんなの顔を
見られるようになったことは自信につながると思う。
2校時と4校時は化学と生物の実習生の研究授業を見学した。私が何度も注意されてなかなか直す
ことができなかった、生徒の方を見て話すという点で、とても勉強になったと思う。黒板や手元を
見ていることが多いと、やはり声が届かないし、聞いている側にしてみると聞きにくいことが多々
ある。一方、板書する時には話をせず、常に生徒の方に向き直って話をしてくれると、言っている
ことがよく伝わってくる。同じ言葉で同じ大きさの声で説明するにしても、聞いている人の方を
向いた方が内容が伝わりやすいのなら、ぜひそうするべきだと思う。自分が授業をする時にも
もっと意識を強く持って、生徒たちの方を向かなければと思った。大事なことはくり返し話すという
ところでは、2人にそういう傾向は見られなかった。科目の性格が違うし、扱う内容やその量も
違うだろうから、比較できないと言えばそれまでだが、私が先生にご指摘いただいたように
「一回聞いただけで理解するのは難しい」から、くり返しはやはり必要だと思う。覚えてしまえば
それだけという単元であっても、今回に限って見てみても、理屈がまったくない内容はなかった。
ということは、「どうしてそうなるのか」という理屈の部分をくり返し提示することによって、
理解しやすく覚えやすくすることは可能だったのではないかと思う。話の内容は分かりやすくて、
特に、おもしろいと思ったことがなかった生物の授業は高校一年の時以来だったけど、興味深い
授業だった。勉強しなければならないと思うことなく楽しんで話を聞けたからかもしれないが。
5校時は教育実習担当の先生と実習生全員が集まって反省会が開かれた。実習生一人一人、授業に
関することと授業以外のことの2つについて自分の実習を振り返ったが、みんなが苦労した点を
聞いてとても勉強になった。授業関係の話では、同じ授業をする機会があった人から、最初に
考えた授業の段取りでは生徒を引きつけることができなかったけれど、話の順番を変えるだけで
生徒の反応がまったく違ったという話が出た。そういう経験は私にはなかったので、そういうことも
あるのかと思った。板書の仕方によって、生徒の理解度が違ってくるという話もあった。また、
大事な話をする時には、ほとんどの生徒がノートを書き終わっていることを確認するだけでなく、
「みんな顔を上げて」と一言添えることによって、集中力を高めるとよかったという意見もあった。
授業以外の話では、主に生徒との関わり方についての話になった。HRの生徒に声をかけるチャンスを
いかに作るか・・・例えばどの部活に所属しているかを覚えておくとか、自己紹介をしてもらって
一人につき一つでも特徴をつかんでおくなど、いろいろな方法が挙がった。また、一人を相手にする
のと全員を相手にするのとでは、それぞれ違った難しさがあるという意見もあった。先生からの
アドバイスは、授業はやはり教材研究と生徒を見ること、またHRの指導では、一人一人別々に見ると
ともに、クラス全体としてどんな動きがあるかを見ることが大事だということであった。
最初の頃には、連絡が遅くなってしまったり、プリントを配るのが遅くなってしまったりと
HRの生徒たちにはたくさん迷惑をかけてきたけど、最後の帰りのHRまで楽しく気持ちよくやらせて
もらったことを感謝したいと思う。お花ありがとう(涙)!!
- 2003年6月12日(木)[教育実習11日目/12日]
1校時の2年生の授業は、昨日の2年生の授業と同じ実験指導だった。実験前の説明は、昨日よりも
うまくできたと思う。しかし、終了時の指導がきちんとできず、特に時間に関する指示を
出さなかったため、ばたばたしたまま終わることになってしまった。昨日やったクラスでは、
実験自体は早めに終わる班が多かったものの、データ処理の仕方を質問する生徒が多かった。
それに対して今日のクラスは、実験に時間がかかってしまったが(1校時だったこともあると
思うが)、実験が終わった班でも、特にデータ処理に関する質問は出なかった。実験中、積極的に
生徒たちの中に入って、彼らがどのように実験を進めていくのか、どこが難しそうかなどを
観察し、時にやって見せるなどして、自分なりのサポートができたと思う。また、今日のクラスの
雰囲気はどうか、実験をしない授業の時と比較して、生徒たちの様子はどう違うのか、いろいろと
考えながら机間巡視した。難しい難しいと言いながらも、一生懸命取り組んでくれていたので、
運動方程式を手で感じてもらえたのではないかと思う。
6校時は1校時と同じ2年生のクラスで、教育実習中の教科指導の総括である研究授業を行った。
単元は運動方程式で、今まで勉強してきたものよりもやや設定が複雑なものを扱い、関連する事項を
復習することを目標に掲げた。思ったより緊張せず、昨日までにやった授業よりは焦らず慌てずに
できたと思う。当初からの大きな課題の一つであった、話す時は立ち止まって生徒の方を見て、
という部分では、強く意識することでできるようになってきた。ただ、その意識がなくなって
しまうととたんに黒板に話しかけてしまう。授業案に目を移して、自分で書いた注意書きを見る
たびに、意識し直さなければならないくらい、まだまだ定着はしていない。ただ、教壇の上を
歩き回って板書しながら話し続けた約10日前に比べれば、生徒たちにとっても少しは聞きやすい
授業になったかと思う。「生徒の方を見る」「書く」「話す」をすべて分ければ、もっとめりはりの
付いた授業が展開できるかもしれない。授業にめりはりを付けることはまだできていない。また、
自分にとっては当たり前になってしまっていることでも、大事なところはくり返しくり返し
話すという点では、今日の授業では成果が挙げられたと思う。初めて授業をした5月31日の2時間
では、同じことはほとんどくり返していなかった。つまり、その時はどんどん突っ走ってしまう
授業だったのだが、今日は要所で前に戻って一通り説明をくり返すなど、大事なことは2回、3回
言葉にすることができた。今日は内容が復習だったこともあって、板書と説明で一方的に与える
だけの授業ではいけないと思い、生徒たちに考えて手を動かしてもらう時間を取って、積極的に
机間巡視した。時々個人的に質問をぶつけてくれる生徒もいた。生徒たちの中に入っていけば、
それなりのレスポンスがあるということを学ぶことができた。前述のように、生徒たちに考えて
もらおうという意識はあったが、まだまだ与えすぎているようだ。先生からご指摘いただいた
ように、もっと問いかけを多くして、生徒が考える機会をより増やした方がよい。確かに、いきなり
こちらから答えを提示してしまっては、生徒は考えなくなってしまうと思う。今日の授業では、
扱った問題を考えていく上で重要な部分は生徒たちに考えてもらうようにできたが、他のことは
与えすぎてしまっていた。特に運動方程式については、いきなり運動方程式として出してしまった
のはよくなかったと思う。もっと現象を大切にして、質量が増えた場合、力の大きさが大きくなった
場合・・・と、考える機会を作ればよかった。見学にいらしてくださった他科目の先生にご指摘
いただいたことで、現象を大切にするということに関連して、出てきた結果に対する考察も
もう少し深められればと思った。特に今日の授業では実際の現象はまったく扱っていないので、
生徒たちはイメージしにくかっただろう。そのような時にこそ、生徒たちの頭の中で物が動く
ような授業をしたい。
- 2003年6月11日(水)[教育実習10日目/12日]
1校時は担当の先生の3年生の授業を見学した。今日は単元の変わり目で、音波を終えて光波に
入った。音や光の性質を紹介したビデオを見たのだが、その中に音速の話が入っていた。
音波の授業では、試験管を使った気柱の共鳴の実験を始めとして、弦の固有振動の実験、
おんさを使った実験、振り子の共振の実験など、さまざまな実験が取り上げられた。しかし、
音が伝わる速さに関しては、計算式を提示しただけで、本当にそうなっているのかどうか、
生徒たちにとってはまだ定かではなかったと思う。音速は本当に340m/s程度なのか、音を
伝える媒質が変わると音速も変わるのか、また温度が変わると音速も変わるのか。それを
実験的に確かめた例を示したことは、とても意味のあることだったと思う。光波の性質では分光が
取り上げられていた。生徒たちは回折格子を使った分光器で実際に電気の白色光と太陽光を見た
わけだが、どのように感じてくれただろうか。そこに「なぜ?」はあっただろうか。理屈を
知ってから現象を見ることも大切だと思うが、理屈を知らずに現象を見て、ああでもないこうでも
ないと疑問を持って考えてみることは、同様かそれ以上に大切だと思う。触れるものから触れない
ものへ、見えるものから見えないものへ、これから生徒たちが学んでいく物理の対象は、どんどん
抽象的になっていく。その時それまでに培ってきた物理的な考え方や見方を頭の中で展開できるか
どうかは、物理を学ぶ上でとても大きな要素になると思う。
5校時は2年生の授業で、今日は運動の法則の実験指導をした。いつも物静かでおとなしいクラス
だが、今日の実験は元気ににぎやかにやっていた。最初、前で実験をやって見せた時には、
ばねばかりが一定の数値を示し続けるように力をかけて引っ張ることを説明すると、「できない」
というような言葉が苦笑いとともに返ってきた。しかし、いざ始めさせてみると、思っていたより
上手にデータを取ることができていたし、「一生懸命やらないと終わらない」としつこく言った
のが功を奏したのか、すべての班が時間内に実験を終えることができた。昨日、自分でやってみた
感じでは、終わらない班もあるのではないかと思っていたが。実験結果は、何秒後に変位が
どれだけかを示しているということは説明したが、それ以降の説明はしないでおいたところ、
ほとんどの生徒がデータを整理できないでいた。単位時間当たりの平均の変位が平均の速度、
単位時間当たりの平均の速度の変化が平均の加速度であるということは理解できていても、
それを実験結果に適用して加速度を求めるということは難しいようだ。この実験を通して、力・
質量・加速度の関係を手で感じるとともに、変位・速度・加速度への理解も深めてくれればと
思った。授業全体の流れは特に問題なかったと思うが、説明の時にはまだまだ生徒の方を見る
ことができていなかった。実験を実際にやって見せて説明しながら、生徒の反応を見て、この実験を
する上で生徒が難しいと感じるところはどこなのか、おもしろみを感じてくれるところは
どこなのか、そういった点が少しでも把握できれば、実験中のアドバイスに活かせたかもしれない。
前で実験を見てもらった時には、レールは1本しか使わなかったのだが、班によっては2本以上
使っているところもあって、それが有効かどうかは別として、いろいろ考えてくれるものだと
感心してしまった。別の2年生のクラスの運動方程式の授業を見た時にも思ったことだけど、
今日の実験結果をグラフにする時に、縦軸を加速度(横軸は力または質量の逆数)にすることに
注目してくれる生徒がいるとうれしいと思う。
- 2003年6月10日(火)[教育実習9日目/12日]
今日の2年生授業は、前回説明が途中で終わってしまったアウトウッドの滑車の問題を終わらせ、
その後摩擦力に入った。先生からご指摘いただいたように、授業の最初に今日の授業内容を提示
するべきだった。アウトウッドの滑車の問題は、すでに2回の授業に渡ってしまっていたので、
生徒にはかなり退屈な話だったはずで、それを今日またやるのかと感じた生徒も多かっただろう。
しかし、やり残してしまった内容は絶対に伝えたい内容だったので、あえて時間を取った。もし
授業の最初に、今日の授業内容を提示できていれば、「この後摩擦力を勉強するんだ」と
生徒たちも思えたわけで、退屈な時間も少し退屈でなくなったかもしれない。
摩擦力のところは、自分がつまずいた経験を持っていることもあって、どうやったら生徒たちは
つまずかずに済むのか、どうして自分がつまずいてしまったかということも考えながら授業を
しようと思っていた。実際に水平面上で物体を引いてもらって、摩擦力を肌で感じてもらった
わけだが、この実験のよさを十分に引き出す授業ができず、とてもくやしいと思う。とにかく
摩擦力を肌で感じてもらいたいという気持ちが強すぎて、生徒たちに実験をさせる前の説明が
不十分になってしまった。この実験で何を見てほしいのか、自分の頭の中にはあったが、それを
生徒たちに伝えないまま実験を始めさせてしまったため、巡回しながら個別に説明することに
なってしまった。明日、明後日とまた実験の指導をする機会がある。どの程度実験の前にして、
どの程度のことは実験中に説明して、というようなことは正直まだ分からない。それでも自分なりに
実験前の説明を十分に検討し、生徒たちがスムーズに実験に入れるような授業にしたいと思う。
授業全体を通して見てみると、授業後半に向かうにつれて落ち着きが出てきたのではないかと思う。
始まってすぐの頃は、まだ意識しなければ生徒たちの方を見て話せないという自分の状況が頭から
抜けていた。さらに、あとに実験が控えていたせいか、必要以上に時間を気にして急いでしまった。
当然、板書することと話すことが同時になり、黒板に向かったまま話してしまっていた。実験前の
説明が不十分なまま実験を始めさせてしまったため、実験中もあまり落ち着けずにいたが、実験後の
説明の時には比較的落ち着いて話ができたのではないか。今日は昨日までよりも生徒の顔がよく
見えた。静止摩擦力、最大摩擦力、動摩擦力と説明を重ねるごとに間を取ることを心がけた。
生徒がノートを取っている状況を見て、次の説明を始めるまでの時間を短くしたり長くしたりという
ことが少しだができた。少しずつではあるけれど、生徒の方を見て話すことが多くなってきて
いるのだと思う。
明日、運動の法則の実験を指導するため、今日自分でその実験をやってみた。生徒に説明する時
どの程度詳しく説明するのか、うまく実験ができないグループや、データ整理で手が止まって
しまっている生徒にはどうアドバイスすればよいか、考えるべきことが次々と出てきた。
- 2003年6月9日(月)[教育実習8日目/12日]
今日は1校時、2年生の授業だった。このクラスの授業は前回、落体の運動に入ったところから担当
している。この単元はそれまでやってきた等加速度直線運動について、実際にものが落下する
という現象を数式で表そうという単元である。これ以前には実際の現象を扱っていないから、
その部分は強調した方がよいという先生のアドバイスを受け、今日はその話を最初に入れた。
さらに前回の授業では、根本には等加速度直線運動があって、自由落下、鉛直投射はそれぞれ
その特別な場合(実際の現象に照らして初期条件を与えた場合)を扱っているというところが
あまり強調できなかった。力のかかり方が同じであることは何度も言ったものの、それを次の
運動の話につなげられなかったのだ。その部分を意識して、今日は何度も「等加速度直線運動の式」
に立ち返った。1時間の中で強調したい部分に何度も立ち返るという授業ができたのは今回が
初めてだったと思う。しつこいくらいに言ったが、生徒は引いている様子もなかった。これくらい、
あるいはこれ以上やらなければ、大事なところが大事なところして伝わらないことが分かった。
今日の授業の様子はビデオに録っていただいたので、2校時にすぐ見た。抑揚がなく、見ていて
聞いていてつまらない授業だった。先週までにやった授業と比べて進歩した部分もあったと思う。
話す時に教壇の上を歩き回っていた今までと違って、だんだんと立ち止まることはできるように
なってきた。板書視ながら話してしまうところと、生徒の方でなく黒板の方を向いて話してしまう
ところは、まだまだ意識が足りなかった。授業開始間もなくは、生徒の方を向いて話していたが、
いざ本格的に板書が始まると、そちらに気を取られるせいか、黒板を見たまま話すことが多く
なっていった。板書は丁寧を心がけているので、文字自体が見にくいと思っている生徒は多くない
と思うけれど、どこにどういう順番でどういう大きさで板書していくかということに関しては、
まだまだ練習が足りないと思う。1番最初に書いた等加速度直線運動の式を授業の最後まで
意図的に残すことはできたが、それ以外は終わりに向かうにつれて黒板の上下左右の関係が
まったくばらばらになってしまった。板書は生徒が順を追って見てくれれば問題ないといえば
そうだ。しかし、より生徒が理解しやすい、より生徒の理解が進む板書を作るためには、より
計画的な板書を覚えなければならないと思う。
研究授業の指導案、研究授業で使うプリント、実験指導で使うプリントを先生に見ていただいた。
まだ自分が思うことを中心に授業を組み立てようとする傾向が強いと思う。生徒がどう思うか、
どう考えるか、どう理解していくかをもっと考えなければならないということが分かった。
自分にとって当たり前になってしまっていることも、抜けがないようにピックアップし、物理に
慣れていない生徒たちに提示する必要がある。手を変え品を変えということはなかなかできない
ので、同じ話をくり返しするしかないが、それでも伝えたいことが伝わる授業を目指したい。
- 2003年6月8日(日)[お休み4]
昨日ゆっくり過ごしたため、本日は朝から快調。授業で使うプリントを2枚、実験のプリントを1枚、
研究授業の指導案を1つ(+授業アンケートを2枚)形にしました。ちなみに、授業アンケート
以外のものは先生に見ていただくため、出直しの可能性100%です(笑)。
さて、研究授業が11日(木)の6限です。おそらくそれが最後の授業になると思います。
最終日である12日(金)は、研究授業めぐりになるかな。金曜日の5限に全体の反省会、
夜は教科会です。
- 2003年6月7日(土)[お休み3]
昨日、担当の先生が「明日はゆっくり寝てなさい」とおっしゃった。睡眠時間が極度に
少ないわけではないのに、正直かなり疲労が蓄積していた私にとって、涙が出るくらいうれしい
一言であった。先生にしてみれば、私の心配をして下さっているというよりは、そうやって
適度に休みを取るのも勉強のうち、ということを教えてくださったのだと思う。
昨日、実習生らしからぬ状況で帰宅したため、昨日の分の記録簿を書かないで寝てしまった。
これは当初からの計画通りだったが、金曜日のうちには書かないにしても土曜日のうちには
書いてしまおうという計画だったので、午前中はゆっくりしていたが午後はちゃんと記録簿を
書いた。
11日、先生の都合がつかず、3年生2コマと2年生1コマを見ることになった。3コマとも実験の指導
である。理論屋の私、がんばってます(笑)。
※メールの返信、遅れるどころかできてません。すみません。今しばらくお待ちを・・・・・・。
- 2003年6月6日(金)[教育実習7日目/12日]
研究授業の内容が決まり、指導案の作成を始めた。扱うのは摩擦力まで含んだ運動方程式だが、
ここでは摩擦力を含んでいることは強調されるべきではない。むしろ、摩擦力を含んでいようが
いまいが、運動方程式の立て方は変わらないということを強調しなければならない。授業の
進み方としては、運動方程式を学んだ後、摩擦力を扱い、その後摩擦力まで含んだ運動方程式という
ことになっている。摩擦力が入ると式が複雑になるのは否めないし、斜面上の物体を扱えば、
水平面上の物体の場合よりも考えるべき要素が増えるのも事実だ。しかし、それでも
運動方程式の立て方は変わらないと強調することで、運動方程式自体が複雑になっているわけでは
ないことを生徒に伝えなければならない。式が複雑になることで計算も複雑になる。立式するところ
までが物理、それ以降は単なる計算(数学的要素)(、出てきた結果について考察するのは物理)。
確かにそれはそうだと思うが、生徒たちにとっては少し違う場合もあると思う。「ここからはただの
計算だからやっておいて」例えば2学期以降、運動方程式の復習をしている時ならそれで十分いいと
思う。しかし、生徒たちが数学でなれているのは文字xやyを含む式の計算であって、ma=F
(運動方程式)ではない。4月に物理を始めた2年生にとって、数学と字面が異なる物理の計算は、
少し慣れてくるまでは、ある程度丁寧に指導する方がいいと思う。勉強していてうまくいかない
ところがあれば、例えそれが本質からはずれたところでも、こだわってしまうのが普通であると
思う。教える側にとって慣れきった簡単な計算でも、学ぶ側にいる生徒たちが慣れていないので
あれば、そこにはサポートが必要である。
2年生の実験(重力加速度)と3年生の実験(ばね振り子の周期)のレポートを各2クラス分見た。
つくづく、大量に採点するのは難しいし、根気のいる作業だと思う。レポートを書いたり試験を
受けたりする立場の時は、先生は作るばかりで楽でいいと思うものだが・・・。みんな一生懸命
書いているから、細かくコメントを書いてあげたいと思うけど、それには限界がある。特に
3年生の方で、実験を通して「単振動の周期を求める公式への理解が深まった」とか「これからは
単位を意識して計算したいと思った」といった記述が多く見られ、実験することの意味は大きいと
改めて感じた。
- 2003年6月5日(木)[教育実習6日目/12日]
1校時は、昨日の私の5校時の授業を受けて先生がなさった授業を見学した。運動方程式を立てる時に
大事なことは何であるか、それを生徒に伝える授業だった。昨日の授業では運動方程式の勉強
としては内容的に急ぎすぎたところがあり、もう少し段階を追う必要があったため、その部分を
今日先生が扱ったということだ。最後の約10分をいただいて、昨日やり残した問題の続きを
やった。今日も説明が不十分なところがいくつか出てしまった。また、生徒の方を見て立ち止まって
話をするということがまだできていない。意識している時はできている場合もあるが、一度その
意識がなくなると、とたんに板書視ながら話し始めてしまう。
2校時は担当の先生の3年生の授業を見学した。今日は音波の実験特集後で、ドップラー効果に入る
前の授業だった。まず前回の実験の最後に、生徒たちに考えてくるように言った課題の説明から
入った。いわゆる奇問ではあるが、根本に立ち返ることの大切さを教えてくれる問題である。
波源の振動から、媒質がどのように振動するかを考えることは、波動の分野では重要であるし、
そこに立ち返ることができるかどうかが分かれ目になることも十分考えられる。波源が1往復したら
1周期分の波が発生する・・・これが常時そうなるわけではないことを、生徒たちは驚きとともに納得
してくれただろうか。共振という現象を、教室の中で振り子で見ているうちは、生徒たちが想像
できる範囲だったと思うが、タコマ橋の話(知ってます(笑)?)をビデオで見ると、それがいかに
大変な現象であるかということを知ったのではないか。実験室で見るモデル的な現象も大切だが、
やはり実際に自然界で起こっている現象の方がリアルでインパクトがある。だから私は常に現象を
大事にし、身近な例があれば積極的に挙げていきたいと考える。
3校時は教育実習生の1年生の数学の授業を見学した。2時間数の最大・最小問題の発展的な問題を
解説する授業であった。彼の場合、きちんと生徒の様子を見ながら、話をすることができている。
生徒との言葉でのコミュニケーションはそこまで多くないが、1人1人の生徒がノートを取る様子や、
教室全体の様子に気を配っていたと思う。やはり授業にめりはりをつけるには(自分の授業に
置き換えて考えるなら)、教卓の前に立つ、様子を見て机間巡視するというのがいいかもしれない。
生徒だった頃の自分を考えてみても、先生が近づいてくると気持ちが切り替わることが多かった。
5校時は教育実習生の1年生の生物の授業を見学した。あまりに科目の性格が違うので、授業の
展開の仕方を勉強することは難しかったが、間の取り方や板書の仕方、話し方では勉強になることが
あった。授業後、指導なさっている先生が「ちょっと板書が多すぎるんだよね。そこまで書くなら
プリントを用意する方がいい」とおっしゃっていた。おそらく、量が多めだったために書くことに
気を取られすぎて、すべてを坦々と書いていったため、どこが重要なのかが生徒に伝わらなかったと
思う。物理は全体をプリント学習することに向く科目ではないけれど、どういう時にはプリントが
有効に使えるのかを考えさせてくれた。
- 2003年6月4日(水)[教育実習5日目/12日]
1校時は担当の先生の授業を見学した。今日は前回までやってきたことを実際に生徒に見てもらう
という実験特集の授業だった。授業の導入に先生は、実際に目で見たり耳で聞いたりすることの
重要性を話された。生徒たちは意外によく話を聴いていた。さすが3年生なのか、話はいいから
早く実験を始めればいいのに・・・という生徒は少なかったように思う。この授業の中では、
4つの実験を扱った。3校時に同じ内容で授業することになっていたので、実験関係のこと、話の
進め方、生徒の誘導の仕方を勉強するとともに、生徒の様子もうかがった。
2校時、教科会から戻った後、物理教室で実験の練習をした。この時点で不安が残っていたのは
弦の振動と気中の共鳴。あとの2つは少し確認するだけにとどめた。弦の振動ではスピーカーの
使い方を覚えて、弦の振動の変化の様子を見た。気中の共鳴は一方が自由端で一方が固定端の
場合を練習。発泡スチロールの粒の動きと定常波のでき方を自分で操作しながら確認した。
3校時。40分授業だったのできっと時間が足りなくなると思い、前置きは短めにしたが、それでも
最後の実験をカットすることとなった。まずは弦の振動。生徒への指示を1つ忘れてしまったのと、
生徒の視点に立って、彼らに見やすくなるような配慮が少し足りなかった。気中の共鳴では、
両方が自由端の場合がうまくできず、先生にお願いしてやっていただいた。この時点で時間が
だいぶ経過して、私の頭の中は実験を先へ先へ急ぐことでいっぱいになっていた。ここですぐに
次の実験に突っ込んでしまいそうになったが、先生の指示で間を取ることができた。生徒に
今までのまとめをしてもらい、最後の実験をカットすることにして、私自身も少し落ち着きを
取り戻した。生徒たちは彼らなりに、教科書をもう一度見たり、近くにいる人と話したりしていた。
3つ目の実験はあるソフトを使って音の波形や強弱を視覚化し、それを見てもらうというもの
だった。おんさをたたいて大きな音を出す、これ1つとっても、満足にはできなかった
(おんさで大きな音を出すのって結構難しいんです(笑))。生徒に実験を見てもらって、
見てもらうことの目標を達成することにおいては、しっかりとした準備と練習が前提であると
感じた。高校の授業で扱う実験は、大学で自分でやる実験とは違うということを認識し、
生徒に見せているのだという意識をもっと強く持つ必要があった。
5校時2年生のクラスで自由落下、鉛直投射の授業、6校時は別の2年生のクラスで運動方程式の
授業をした。先生がする同一の内容の授業を見ないで授業をするのはこれが初めてだった。
授業後、以下の通り先生からご指摘いただいた。1つ1つよく考え、なぜそれでは問題があるのかを
納得して、今後の授業に活かさなければならない。まず、授業全体について。話す時は立ち止まって
生徒の方を見て、様子を確認しながら進めていく。そのために、板書することと話すことをもっと
はっきり分けて、時には教壇を降りて教卓の前に行くなどのめりはりを付ける。次の授業の内容に
ついて。自分なりに準備して授業に臨んだわけだが、説明が不十分だったり欠如したり、あるいは
不適切だったりする。自分がしている説明を聞いて、生徒はどのようにとらえるのか、生徒の頭の
中にはどのように入っていくのかというところまで考え、説明の仕方を選んだり、内容を決めたり
しなければならなかった。本当に伝えたいことがしっかりと伝わるように、もっと工夫して
いかなければならない。
- 2003年6月3日(火)[教育実習4日目/12日]
朝のHRにはだいぶ慣れてきた。4日目にしてようやく流れを覚え、話をスムーズに進められるように
なったし、生徒への指示を出すのも上手にできるようになってきたと思う。今日は出欠を確認して
出席簿へ記入する時に、電車遅延のために遅刻になった生徒をどういう扱いにするのかが
分からなかった。帰りのHRの後に、該当する生徒に言いに来てもらい、公欠に直した。
1校時の時間、今後の授業進度について先生と話し合った。2年生の授業はまだ本格的にはやって
いないので様子が分からない。もちろん予定通りにうまくいけばそれに越したことはないけれど、
あまり予定に縛られてその雰囲気が授業に出てしまうのはよくないと思う。明日2年生の2クラスで
授業をしてみて、あまりに無理があるようなら、また考え直してみたい。
2校時と3校時はともに担当の先生の授業を見学した。どちらも3年生で内容も同一であった。
私自身は同じ内容を2クラスで授業する機会はないので、このような授業を見学し比較すると、
勉強することがたくさんある。2校時のクラスの授業では、特に前半、生徒たちに落ち着きがなく、
先生が話を始めても、いつもより教室全体がざわざわしていた。3校時のクラスの授業(こちらは
別の話が入った関係もあるのだが)と比べて、先生は復習に時間を多く使われたと思う。「大事な
ところだから復習するよ」と集中するよう促し、「じゃあここから新しいところだね」と注意を
引く。その後ざわつきは徐々に収まった。クラスの雰囲気や様子によって授業の展開を変える技術
は私にはまだない。生徒が食らいついてくれるような飽きない授業を作っていくためには、
それもすごく大事だと思った。2校時、3校時は音波の2回目だった。今日は理論的な話が続いた
ので、後半はかなり疲れてしまった生徒も多かったと思う。だけど、そうやって紙と鉛筆で
考えるのも楽しい、おもしろいと思ってもらえれば・・・。明日、今日の2校時に引き続いて実験
特集のような授業をすることになった。生徒たちにはぜひ、目で耳で手で感じてもらって、
物理を楽しめるような授業にできればと思う。
5校時は化学科へ行って、2年生の授業を見学させていただいた。見学の許可をいただきに行った時、
「クラスの雰囲気や生徒たちの授業の受け方を知りたいので」と言ったところ先生は、「物理の
授業の時と似たような感じだと思う」とおっしゃっていた。しかし、私の目にはだいぶ違って
見えた。先生の授業はプリントを使った授業であるせいもあると思うが、生徒たちが手を動かす量が
明らかに違う。やはり物理の授業の時には書き方が分からないために手を動かせない、つまり
書きたいけどかけない生徒も少なからずいるのではないか。授業を聴くのに一生懸命になり、
集中して先生の話を理解して、例えば家でも勉強するような生徒は問題ない。しかし、授業中にも
手を動かさなければ理解しにくい生徒もいると思うし、もしそれで戸惑ってしまっている生徒が
いるなら、少しアシストしてあげたいと思った。
6校時は5校時に見学したクラスの物理の授業。最初の20分ほどいただいて、31日に別のクラスで
やったのと同じ実験の説明だけさせてもらった。休み時間にストロボスコープを準備していた時点で
何人かの生徒は何が始まるか分かっていたようだ。最初に見せた時の反応も、31日のクラスとは
かなり違った。本当に全然雰囲気が違う。今日はその後運動方程式に入った。これは歴史的には
ニュートンが実験的に発見したのだが、ニュートンが力と加速度に着目したことに生徒は興味を
持っただろうか。きっかけは何でもかまわないと思う。少し授業の先を考えてみて、物理に興味を
持っていってほしいと思った。そのためにその素材を提供してあげられればなぁ・・・。
- 2003年6月2日(月)[お休み2]
昨日の朝は、比較的ゆっくり寝てたんですが、下手に睡眠のサイクルを崩すわけにもいかないので、
今日は普通に起きました。明後日と明々後日の指導案を書いているところです。2年生のクラスを
2つ持ちますが、授業時間数の違いの関係で、進度が異なっているので、全時間分指導案が必要
です。同じ授業を別のクラス相手にやるっていう経験ができないのは残念ですが、全部違う授業が
できるっていうのもいいですね。時間が限られる中でたくさんの経験ができるかと思いますので。
さて・・・今日も早寝だ・・・ってさすがに早過ぎる(笑)。
6月6日(金)、実習生の集い☆
※今週も明日から学校が始まったら、メールの返信など遅れてしまうと思いますが、
大目に見てやってくださいませ。
- 2003年6月1日(日)[お休み1]
今日は待望のお休み!!と言っても、指導案書かなきゃいけないんですが。
朝6時頃目が覚めました。
人間の体ってすごいですね。やはり時計が組み込まれてるのでしょうか。別に6時に起きたわけでは
ないです・・・ぇぇ。そして久しぶりに遅くまでゆっくり寝てました。途中で眠りが浅くなったところ
で、うちの前の小学校でやってる運動会のぴーひゃららが聞こえてきて、かなり気分を
害されました(笑)。なんだ・・・今日に限って運動会ですか・・・ってなもんで。きっと今週から
しばらく毎週でしょうね・・・。小学校(今週)→中学校(来週)→小学校(再来週)とか
そういうパターンでしょう・・・。はぁ・・・。さて・・・指導案指導案・・・。
- 2003年5月31日(土)[教育実習3日目/12日]
今日は土曜日にもかかわらず授業があった。週5日制なので本来土曜日はお休みなのだが、
その週5日制のあおりを受けて(?)、たまに土曜日に授業をすることがある。振り替えで次の
月曜日がお休みになる。つまり、今日は月曜日の時間割(1校時〜4校時のみ)であった。
当初、来週の月曜日から授業を持つということだったのだが、この変則日程によりそれは、
土曜日から授業を持つという意味に変わり、本日初授業でありました。
朝会の時、学年の打ち合わせに間に合わず、後から何人かの先生に聞きなおしてしまった。
クラスの生徒全員分のある書類をあずかったものの、どうすればいいか分からずどうしようも
なかったからだ。こうやって先生方が協力してくださるので助かっているが、あまり手をかけない
ようにがんばらなければならないと思う。分からないことは聞くけれど、あくまで一教員としての
自覚を持つ。
今日は朝のHRに早く行き過ぎてしまったらしい。人が少ないとは思ったものの、先走って始めて
しまった。あとで、遅刻していないのに遅刻になっていたと生徒から指摘を受けた。やはりまだ
緊張が解けていないようだ。というか今日は上に書いた書類の配布のことで頭がいっぱいだった
のだろう。いろいろなことに目を配っておくのは簡単ではない・・・。
朝のHRから物理教官室に戻って、もしかしたら2校時の2年生の授業をしなければならないと思い
ながら、該当する単元をどのように教えようか考えていた。自分でも感じるくらい緊張して、頭は
よく働いていなかった。それでも、実習前に見学した授業が似た内容だったことを思い出して、
何とか50分組み立てられないかと考えた。結果として授業はしないことになったが、いい経験に
なったと思う。
先生の指示を受けて、休み時間までに2校時の実験の準備をし、授業の最初10分くらいを
いただいて、装置の説明をした。短いながら始めて授業をしたわけだが、生徒たちが一生懸命
聞いてくれたので、自分なりに話を膨らませながらがんばれたと思う。実験装置に興味を持つ
生徒たちを見て、改めて実験の重要性を認識した。その後担当の先生に引き継いだ。今日は
ある現象を生徒に見てもらったのだが、予想以上に盛り上がり、ひとしきり「お〜」という声が
教室にこだました。3年生とは違って2年生は、明らかに授業を聞かない姿勢の生徒を除けば、
多くの生徒がノートを取っている。板書をほとんどそのまま写している生徒も多かった。
まだ物理を始めて2ヶ月、自分にとって、どのように授業を受けたりノートを取ったりするのが
いいのか、まだつかみきれない生徒が多いのだと思う。先生が止まらず話し続ける授業では、
話を聞くこととノートを取ることを同時にしなければならないが、担当の先生の授業はそうでは
ない。まずはじっくりと聞くということができる授業である。急ぐことはないけれど、生徒たちには
できるだけ早く自分のスタイルと確立してほしいと思う。
3校時と4校時は同一の内容で、3校時に担当の先生の授業を見学、4校時に自分で授業をするという
ことになった。やるのは新しい単元の導入。1時間全部授業するのはこれが初めてだった。同じ
内容の授業をするとなれば、そっくりまねた授業になってしまうことは最初から分かっていた。
しかし、そこで失敗を恐れず、自分のオリジナルの内容をおり込むことで、少しずつ授業を
作っていくことを覚えなければならないと思った。結果、授業の流れとしてはほとんど同じに
なったが、先生と違う話を入れることはできた。1つ重要なところで説明が薄くなってしまったこと
と、自分で考えた話が長くなり過ぎてしまったことを先生に指摘していただいた。その他、
最後に説明した事項で、現象は実際にやって何度も生徒に見てもらったものの、その解説が
不十分になってしまったことを反省した。最後に時間が余ってしまったのは、1つ目と3つ目の
反省点が主な原因であると思う。時間が余ったので実験を1つ追加した。それから、授業全体の
流れはもっとしっかり頭に入れておかなければならないと思った。手元に授業案を置いて
授業しているものの、あくべきでない間があくと無駄に焦る。次は何、次は何、というように、
すらすら授業の展開が頭に浮かぶくらいにしておかなければならなかった。今日の学級日誌で
日直さんが、私の授業を聞いてさらにその上もっと実験をやってみようとしたことを書いてくれた。
うれしかった。
- 2003年5月30日(金)[教育実習2日目/12日]
朝のHRで、生徒への伝達事項を1つ忘れてしまった。伝えるべきことはきちんとまとめておかないと
もれが出てしまう。それから、やはり声は意識して出さないと、後ろまでは聞こえないようだ。
生徒たちはとても協力的にHRに参加してくれている。
1校時は担当の先生の3年生の授業を見学した。単元は昨日の2校時とほぼ同じ。クラスの雰囲気や
その時の教室の様子によって、授業の展開の仕方を変えていく必要があるというのがよく分かった。
特に前半、教室は少しざわついていて、生徒に念を押すように、先生は同じ話を繰り返された。
先生の授業スタイルに依っているのだが、授業中、教室を巡回していると、ノートを取っている生徒
と取っていない生徒がいる。また取る量もまちまち。3年生ともなると、自分で考えて自分の
スタイルに合わせて授業を受けられるようになるのだと思った。
予定通り、2校時は化学科へ行って2年生の授業を見学した。このクラスは物理で担当するクラスだ。
1番後ろで見学していたが、いつもはもの静かに話される先生も、すごくよく通る声で話されて
いた。さすがだと1人で感心してしまった・・・。内容は、ある計算方法を学ぶというもの。
プリントに問題が羅列してあり、生徒がそれを自分たちで解いていくというスタイルだった。先生は
時間をおきながら黒板に徐々に答えを書いていく。決まった(ある意味数学のような)方法を
くり返し練習することによって、それを生徒に身につけさせたい場合には、こういった授業
スタイルが有効かと思った。実際自分で手を動かすかどうかはそれぞれの生徒に一任されることに
なるが、それは問題ないのだろうと思った。先生は折に触れて別の話もされ、生徒が勉強しやすい
ように気を遣ってらっしゃるのだと思った。
朝のHRで声が小さかったのを反省して、帰りのHRでは意識して声を大きく出した。今日も席について
いない生徒が多く、すぐに始められる状況ではなかった。HR始めるよと声をかけ、席につくように
うながした。再三提出を求めている書類をまだ出していない生徒がいるということで、
「迷ったり悩んだりしている人は、できるだけ相談に乗るので放課後教官室に来てください」と
声をかけておいた。放課後、ちょっとした仕事を生徒にやってもらった。こういう仕事を全部
自分でやるのではなく、生徒にやってもらうように指示を出すのも大事な勉強の1つだ。
放課後、実験装置の調整を行った。正直実験は得意の方ではないけれど、実験を通して、少しでも
生徒たちが物理を身近に感じてもらえたらと思う。授業で習う(習った)ことが目の前で実現
すれば、これ以上の予習(復習)はないと思う。
明日の3校時、4校時の指導案を考えていた。前後の授業との関係や、どこに重きをおくのかと
いうこと、時間の配分、そしてもちろん内容・・・と考えるべきことはたくさんある。たとえば、
おんさで音を出すという行為1つ取ってみても、自分だけでやっているのとは全然違う。黒板に
書く文字の大きさをどのくらいにすればいいか、実際に書いて後ろの方から見てみた。
- 2003年5月29日(木)[教育実習1日目/12日]
今日から教育実習が始まった。まず、応接室に集まり他の実習生と話をすることができた。
私はこの高校の卒業生ではないから、不安がないといったらうそになるような気持ちだったが、
その心配はいらないと思えた。8時になり、先生方の朝会に出席。全体の打ち合わせ、
学年の打ち合わせの後、朝のHRへ行った。出欠確認、朝のあいさつをしながら、さほど
緊張していないつもりだったが、実は緊張していたらしい。
1校時は実習のオリエンテーションだった。教頭先生と教務の先生が、以下のような話をされた。
1. 週5日制や、開かれた学校づくりに見られるように、今教育界は変革期を迎えている。
2. 今日から教育実習をするにあたり、大学生から教員(教育実習生)へとまったく違った立場に
たったことを十分に認識する必要がある。
3. 教育実習生であっても、生徒への影響は多大であり、教材研究に一生懸命取り組むことや、
積極性を持って行動することは大変重要である。
4. 新しい若い感覚を持ち合わせている自分たちの特性と十分に発揮し、教育に働きかけて
いければすばらしい。
教育実習を通して、教えることの難しさ、学ぶことの大切さを知り、有意義な時間となるように、
懸命に取り組む。失敗を恐れて中途半端にするのではなく、試行錯誤をくり返し、多くのことを学び取っていく
のだと、改めて思った。
2校時は、担当の先生の3年生の授業を見学、4校時は別の先生の3年生の授業を見学した。
扱った内容はそれぞれ違ったので、比べるのは難しいのだが授業スタイルがまったく違う。
私がオリジナルの授業を作れるようになるのはまだまだ先のことだけど、少しずついいところを
盗んでそれに自分らしさを付け加えていくところから始めようと思った。
6校時終了のチャイムが鳴った後、帰りのHRをしに教室へ行った。生徒はあまり集まって
いなかった。今日はこの後1つイベントが控えていたので、それに向けて時間までに生徒を
誘導しなければならなかった。生徒の集まりがよくないので、時間ぎりぎりまで待って出欠を
確認し、現場へ連れて行った。
物理教官室に戻ってすぐ、物理教室を掃除しに生徒が来たので、一緒に掃除をした。
その後、学級日誌にコメントを書いたのだが、生徒のコメントからもらう元気の大きさを
改めて感じた。
上記以外の時間では、時間割の検討、授業内容の打ち合わせ、授業の予習を行った。
物理以外の科目の授業も見学したいと思い、明日の2校時は化学科へ行くことにした。